恒大集団の破産や債務不履行(デフォルト)の影響は、負債額の割に小さかったような気がします。世界的な金融危機に陥らずに済んだのはなぜでしょうか?
今回はこんなお悩みにお答えします。
この記事の内容- 恒大集団が最終的に抱えていた負債額は約3250億ドル(48兆円)にも上った
- 中国は三つのレッドラインを導入し、不動産バブルを抑え込もうとした
- 恒大集団の資産の大部分は中国国内にあったのと、恒大集団への銀行の融資額は全体に対して小さかったため深刻な金融危機には至らなかった
- 僕は35歳のときに適応障害になり、会社を半年間休職しました
- それを機に、会社に依存せず自分の力で稼げるようになることを志しました
- それから6年後、会社を辞めて独立、起業しました
- 今は顧客管理とマーケティングのコンサルタントをしています
中国の不動産開発大手の恒大集団が2024年1月29日に香港の裁判所から清算を命じられました。
2021年末頃から騒がれていた恒大集団の債務不履行などの問題は、日本のバブル崩壊やリーマンショックなどの金融危機を想起させましたが、実際にはそこまでには至っていません。
この記事では、これらの経済への影響の違いがざっくりとみていきます。
1.中国恒大集団の
中国の恒大集団とは、1996年に設立された不動産開発の会社で、いわゆるデベロッパーです。
設立から2010年代にかけて、銀行の融資を利用して多くの不動産開発プロジェクトを手掛けてきました。
しかし2020年に中国が「三つのレッドライン」という政策を打ち出したことにより、融資による資金調達に規制がかかり、恒大集団のような不動産開発事業者の資金繰りはきびしくなっていきました。
三つのレッドライン①総資産に対する負債比率が70%以下
②自己資本に対する負債比率が100%以下
③短期負債を上回る現金の保有
2021年12月、恒大集団が米ドル建て債務の利払いを滞らせたことにより、デフォルトに陥りました。
その後、現在まで恒大集団の債務を巡って各地で裁判などが繰り返されています。
2.日本のバブルとの共通点
実は、恒大集団が繰り返してきた融資と開発は、日本で1985年~1990年の間に膨れ上がったバブルと原理が似ています。
日本でも、投資家が銀行からの融資を元に土地を購入し、購入した土地を担保にさらに融資を引くという繰り返しで資金を調達し、不動産資産を増やしていっていました。
当時は、銀行も土地値が上がっていくことを信じていたので、企業にも個人にもどんどん融資をしていた状況でした。
しかし最後には、日本政府が政策金利を引き上げたことによりバブルに終焉が訪れました。
中国で言うところの「三つのレッドライン」ですね。
ただ結果的には、恒大集団の資産のほとんどが中国国内に存在していたことと、世界各国の銀行からの融資額としてはそこまで巨額でもなかったために、金融危機にはならずに済みました。
3.リーマンショックとの違い
アメリカの投資銀行、リーマンブラザーズの破綻のときは、リーマンブラザーズだけでなく、多くの銀行がサブプライムローンを保有していて、破綻する銀行が連鎖しました。
アメリカ政府の働きかけにより、結果的に倒産したのはリーマンブラザーズだけに留まりましたが、多くの銀行が多額の負債を抱え、吸収合併する形でなんとか倒産を免れた形でした。
銀行同士は、お互いにお金の貸し借りをしていることが多いため、一つの銀行が多額の負債を抱えて倒産すると、そこにお金を貸した銀行が共倒れするリスクがあります。
4.バブル経済に注意する
金融危機からしばらく時間が経っていたり、経済成長が著しい国や発展途上国では、バブル経済というのはよく起こります。
そのバブル経済に気付かず、バブルに多額の投資をしてしまうと、バブルが崩壊したときに多額の損失を被ってしまいます。
投資商品の本質的な価値に目を向けて、バブル経済であるかどうか個人でも目を光らせておく必要がありますね。
5.まとめ
中国では、2020年から三つのレッドラインを導入しており、そのことによって不動産市況のバブルを予め抑え込むことに成功しました。
中国の恒大集団の問題は、日本のバブル経済やアメリカのリーマンブラザーズとの共通点もあるが、結果的に生じた経済への影響は大きくはなかったですね。
今後の人生の参考になれば嬉しいです。
以上です。ここまで読んでくださりありがとうございました。
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